Japanese
English
特集 低侵襲脊椎手術の功罪
腰椎変性疾患に対するFESSの功罪
Merit and Demerit of Full-endoscopic Spine Surgery for Degenerative Lumbar Disorders
杉浦 宏祐
1
,
酒井 紀典
1,2
,
西良 浩一
1
Kosuke SUGIURA
1
,
Toshinori SAKAI
1,2
,
Koichi SAIRYO
1
1徳島大学大学院医歯薬学研究部運動機能外科学
2徳島県立三好病院整形外科
1Department of Orthopedics, Institute of Biomedical Sciences, Tokushima University Graduate School
キーワード:
全内視鏡脊椎手術
,
full-endoscopic spine surgery
,
経椎間孔アプローチ
,
transforaminal approach
,
局所麻酔
,
local anesthesia
Keyword:
全内視鏡脊椎手術
,
full-endoscopic spine surgery
,
経椎間孔アプローチ
,
transforaminal approach
,
局所麻酔
,
local anesthesia
pp.585-592
発行日 2023年3月10日
Published Date 2023/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002201907
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はじめに
腰椎椎間板ヘルニアに対する最小侵襲手術の1つであるfull-endoscopic discectomy(FED)は,さまざまな全内視鏡下脊椎手術(full-endoscopic spine surgery:FESS)の起源といえる術式である18).
FEDはさらにアプローチの方法により,経椎弓間(interlaminar:IL)アプローチ,経椎間孔(transforaminal:TF)アプローチ,後外側(posterolateral:PL)アプローチに細分化される16).IL-FEDはmicro-endoscopic discectomy(MED)をさらに小侵襲に発展させた手技であるが,TF/PL-FEDはもともと土方式経皮的髄核摘出術(percutaneous nucleotomy:PN)5)から発展した手技であり,同じFEDでも発展してきた背景が異なる.近年,道具の発展や手術手技の改良・進歩により,腰椎椎間板ヘルニアに対するFED以外にもさまざまな病態に対してFESSが行われるようになり,その有効性が報告されている.一方で,FESSの手術手技の発展・適応拡大に伴い手術件数は年々増加傾向であり,その合併症や問題点についても目が向けられ始めている.
筆者の教室では2013年にFEDを導入されて以来,局所麻酔下に手術を行えることが大きな利点の1つであると考えており,全例で局所麻酔下にTF-FESSを行っている.今回,腰椎変性疾患に対するTF-FESSを中心に,利点,手術手技と手術適応,その合併症や問題点について解説する.
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