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「実況!私の診察室」という特集テーマを企画させていただいた.私も当誌の編集委員をもうかれこれ14年ほど勤めており,正直企画のアイデアも枯渇してきた(だいたいもともとの私の気質がそういうアイデアマンではない).最近は部下や共同研究者のメーリングリストに「何かいい企画のアイデアない?」と募集しているのが内幕で,今回もそうである.こういうことはきちんとクレジットすべきであろう.以前,当科に長く勉強に来て,現在横浜市立大学脳神経内科に戻った宮地洋輔先生がなかなかのアイデアマンで,これまでも興味深い企画を提案してくれた.今回も彼の思いついた企画で,複数挙げてくれた中で,断トツで「これだ!」とピンと来て選ばせていただいた(笑).
各診療科・各疾患のエキスパートが,どんな点に注目して問診・診察をするか,診断を疑うきっかけとなる所見は何か,検査の選択ポイントは何か,最終的に診断の鍵となるポイントは何かなどを,場合によっては実際の症例(ないし模擬症例),とりわけ診断困難例や鑑別が問題となる例を提示しながら,文献の紹介を交えながら解説していただきたいというのが,執筆の皆様へのお願いであった.「診察室」というのがキーワードで,これによって実際の診察のときに何を考えながら診療(病歴聴取と診察)して,どのように補助検査も活用して診断に至っているのかを,皆様きっと自分の診療をあらためて振り返っていただいたのではと推測される.集まった原稿を拝見すると,詳細な患者との問答をまさに実況中継のように再現いただいた方もあり(小林良浩/紺野愼一先生),ほとんどの方が症例を中心に,これまでの総説とは一風変わった観点で解説いただいている.私はALSを担当させていただいたが,やはりこれまではあまり書いたことのない評価のコツをいろいろと書かせていただいた.
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