特集 神経生理検査—脊椎脊髄疾患とその鑑別疾患への応用
特集にあたって
園生 雅弘
1
1帝京大学神経内科
pp.485
発行日 2019年5月25日
Published Date 2019/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002201130
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本号では「神経生理検査—脊椎脊髄疾患とその鑑別疾患への応用」というタイトルで特集を組ませていただきました.実は2013年1月にも「脊椎脊髄疾患の診断と鑑別診断のための電気生理学的検査」という類似の特集を企画しましたが,これは各疾患別に論じてもらったものでした.今回は観点を変えて,各検査手技別に原稿としてまとめてもらいました.実際の検査場面でご活用いただくには,このようなまとめ方も役立つかと思います.
神経生理検査が脊椎脊髄疾患の診療にどのように役立つかについては,私自身が総論のところで詳しく述べさせていただきました.かつては脊椎脊髄外科医自ら針筋電図など生理検査を行う人もかなりいたのでしょうが,MRIの出現によってその必要はなくなったと感じられて,特に外科医による生理検査の施行頻度はかなり低くなっているのではと推測されます.これはもう1つの因子として,年配の脊椎脊髄外科医の方々が生理検査をやっていた昔に比べると,電気生理検査手法(解釈)は確実に進歩して,臨床に役立つ情報を前よりはるかに多く提供できるようになっているということもあります.昔は神経伝導速度だけが論じられていたのに,今は振幅のほうがはるかに重視されるようになった神経伝導検査などはその代表でしょう.
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