Japanese
English
シンポジウム 頸椎多数回手術例の検討
頸椎多数回手術例の検討—脳神経外科の立場から
Multiple Surgery on the Cervical Spine: Neurosurgeon's View Point
長島 親男
1
,
窪田 惺
1
Chikao Nagashima
1
,
Satoru Kubota
1
1埼玉医科大学脳神経外科学教室
1Department of Neurosurgery, Saitama Medical School
キーワード:
多数回手術
,
multiple surgery
,
頸椎
,
cervical spine
,
脊髄腫瘍
,
spinal cord tumor
,
脊髄誘発電位
,
spinal cord evoked potential
,
頸椎症
,
cervical spondylosis
Keyword:
多数回手術
,
multiple surgery
,
頸椎
,
cervical spine
,
脊髄腫瘍
,
spinal cord tumor
,
脊髄誘発電位
,
spinal cord evoked potential
,
頸椎症
,
cervical spondylosis
pp.805-819
発行日 1986年7月25日
Published Date 1986/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408907446
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抄録:頸椎多数回手術例26例(9〜65歳,18例男性,8例女性)を脳神経外科の立場から検討し,次の結果を得た.[1]多数回手術を要した因子を列挙すると,診断の不適,手術方法の不適など多数回手術を回避できたと考えられたもの―26例中10例(39%),予測できない離れた部位での後縦靱帯,黄色靱帯などの骨化,脊柱管拡大術後の狭窄,髄内腫瘍の再発など,多数回手術を回避できない病態と考えられたもの―26例中12例(47%),術前から意図的に2段階手術を行わねばならなかったもの―26例中4例(14%)であった.[2]術後コバルト照射をうけ癒着の強かった高位頸髄髄内腫瘍(ependymoma)再発例でも,多数回手術で腫瘍全摘出に成功し手術適応のあることを知った.[3]患者や家族とのよい関係を維持するためにも,初回手術の術前に「多数回手術」となる可能性もあり得ることをよく説明し,相互の理解を深めておくことが,頸椎手術例の治療成績を向上させる上で大切なことである.
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