Japanese
English
特集 リハビリテーションにおけるロボット技術の最近の進歩
上肢リハビリテーション支援ロボットの現状と今後について
The Current Status and Future of Robot-assisted Upper Limb Rehabilitation
岩佐 沙弥
1
,
道免 和久
2
Saya IWASA
1
,
Kazuhisa DOMEN
2
1兵庫医科大学リハビリテーション科
2兵庫医科大学リハビリテーション医学教室
1Department of Rehabilitation Medicine, Hyogo College of Medicine
キーワード:
上肢麻痺
,
upper limb paralysis
,
ロボットリハビリテーション
,
robot-assisted rehabilitation
,
ニューロリハビリテーション
,
neuro-rehabilitation
Keyword:
上肢麻痺
,
upper limb paralysis
,
ロボットリハビリテーション
,
robot-assisted rehabilitation
,
ニューロリハビリテーション
,
neuro-rehabilitation
pp.765-770
発行日 2020年8月25日
Published Date 2020/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002201472
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上肢ロボットの現在
近年,世界的にリハビリテーション支援ロボットの開発と実用化が急速に加速し,ロボットを用いたリハビリテーション治療(以下,ロボット治療)の報告も徐々に増加している.また,リハビリテーション支援ロボットの世界市場も年々変化しており,そのシェアは国や地域ごとにさまざまである.上肢ロボット治療は,脳卒中後片麻痺に対して使用されていることが多いが,脊髄損傷や神経筋疾患の訓練に使用された報告も認められる.
現在の注目すべき話題として,令和2年診療報酬改定において運動量増加機器加算が新設されたことが挙げられる.算定の対象は,脳卒中または脊髄障害の急性発症に伴う上肢または下肢の運動機能障害を有する患者(脳卒中または脊髄障害の再発によるものを含む)である.運動量増加機器の1つに,「上肢を装置に固定し,設定された適切な可動域による訓練等を行うもの」として上肢ロボットが含まれている.従来は保険診療外の実験的な試みの段階にあったが,このたびの改定によりロボット治療の効果が認められたこと,またさらなる発展を期待されていることがうかがえるだろう.
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