Japanese
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教育講座
上肢機能障害の治療をどう考えていくか?
How to Consider Treatment of Upper Limb Dysfunction?
内山 侑紀
1
,
道免 和久
2
Yuki Uchiyama
1
,
Kazuhisa Domen
2
1兵庫医科大学リハビリテーション科
2兵庫医科大学リハビリテーション医学教室
キーワード:
上肢麻痺
,
片麻痺
,
運動学習
,
CI療法
,
ロボットリハビリテーション
Keyword:
上肢麻痺
,
片麻痺
,
運動学習
,
CI療法
,
ロボットリハビリテーション
pp.66-74
発行日 2021年1月18日
Published Date 2021/1/18
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- 参考文献 Reference
はじめに
脳卒中や脳損傷後の中枢神経障害における上肢機能障害は一般的に重度になるほど予後が悪く,回復が困難とされる.また,下肢に比べ日常生活動作への汎化が難しく,このことも回復を妨げる要因とされる.一方,脳科学の分野では,脳損傷後の麻痺側上肢の回復過程において,大脳皮質の使用依存的可塑性が関連することが明らかになっている.この知見を応用し,リハビリテーション治療においては,constraint-induced movement therapy(CI療法)1, 2)をはじめ,脳の可塑性を誘導する手法としてのニューロリハビリテーションが近年大きく発展してきた.そして現在,上肢機能障害に関しては,ニューロリハビリテーションの発展とともに,さまざまな治療の選択肢と治療戦略が提唱されている.しかし,基本的な治療の原則は運動学習理論の応用であり,その基盤となる基礎研究や臨床応用の歴史も知っておく必要がある.本稿では,上肢機能障害の治療に関して,運動学習理論の要素を豊富に組み込んだCI療法をベースに論じ,これまでの知見とこれからの展望を述べる.
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