Japanese
English
特集 頸部神経根症の治療を見直す
頸部神経根症様上肢痛に対する腕神経叢パルス高周波法の有用性
Pulsed Radiofrequency of Brachial Plexus for Upper Limb Pain
南 学
1
,
花北 順哉
1
,
高橋 敏行
1
,
島内 寛也
1
,
宮坂 和弘
1
,
兼松 龍
1
Manabu MINAMI
1
,
Junya HANAKITA
1
,
Toshiyuki TAKAHASHI
1
,
Hiroya SHIMAUCHI
1
,
Kazuhiro MIYASAKA
1
,
Ryu KANEMATSU
1
1藤枝平成記念病院脊髄脊椎疾患治療センター
1Spinal Disorders Center, Fujieda Heisei Memorial Hospital
キーワード:
パルス高周波法
,
pulsed radiofrequency
,
腕神経叢
,
brachial plexus
,
上肢痛
,
upper limb pain
Keyword:
パルス高周波法
,
pulsed radiofrequency
,
腕神経叢
,
brachial plexus
,
上肢痛
,
upper limb pain
pp.699-705
発行日 2020年7月25日
Published Date 2020/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002201457
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はじめに
加齢などで頸椎症性の変化が起こると,椎間孔周辺に骨棘などが形成され,神経根が絞扼され,神経根症を引き起こす.また,加齢による退行性変化やスポーツ,外傷といった外的要素によって線維輪の亀裂が生じ,髄核を含む椎間板組織が脱出することにより生じる頸椎椎間板ヘルニア,特に外側型で神経根症を呈する.障害された神経根の支配領域では,痛み,感覚障害,筋力低下,筋萎縮などが生じる.初発症状は頸部痛であることが多く,後に上肢の持続痛や放散痛,しびれが出現する.また,肩甲上部,肩甲間部の痛みを伴う.頸椎の運動や位置によって痛みやしびれが誘発されることが多く,胸背部へ放散することもある.典型的な場合には,神経学的所見だけで責任神経根の高位診断が可能である.保存的治療として,あるいは手術までの疼痛管理として,薬物療法,星状神経節ブロック,経椎弓間あるいは経椎間孔硬膜外ブロック,神経根ブロック,腕神経叢ブロック,リハビリテーションなどが行われる9,20,27,29).
当院では,種々の痛みに対して手術治療のみでなくさまざまな保存的治療,インターベンションを行っている(表 1).本稿では,パルス高周波法の概要,作用機序,種々の痛みに対する有効性について紹介し,頸部神経根症,特に画像所見で神経除圧術の適応となるような高度の神経圧迫がない症例に対する腕神経叢パルス高周波法の有用性を紹介する26).
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