Japanese
English
臨床経験
腕神経叢に生じた限局性多発性神経線維腫の1例
A Case Report of Localized Multiple Neurofibromas in Brachial Plexus
佐野 栄
1
,
六角 智之
1
,
江畑 龍樹
1
,
斉藤 忍
1
,
村上 正純
1
,
守屋 秀繁
1
Sakae Sano
1
1千葉大学医学部整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, School of Medicine Chiba University
キーワード:
brachial plexus
,
腕神経叢
,
localized multiple neurofibromas
,
限局性多発性神経線維腫
Keyword:
brachial plexus
,
腕神経叢
,
localized multiple neurofibromas
,
限局性多発性神経線維腫
pp.805-808
発行日 1999年6月25日
Published Date 1999/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408902743
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抄録:von Recklinghausen病を伴わずに腕神経叢に限局し多発した神経線維腫の1例を経験したので報告する.
症例は21歳男性である.14歳時より左上肢筋力低下を自覚した.その後徐々に進行していたが放置し,1995(平成7)年,精査目的のため当科紹介入院となった.入院時,左上肢の著明な筋力低下,筋萎縮を認めた.カフェオーレ斑は認めなかった.MRI単純TI強調像において,左腕神経叢部にび漫性の低信号領域を認め,Gd-DTPAにより同部位は中等度造影された.筋電図検査では,左腋窩神経,橈骨神経支配筋に中等度の神経原性変化を,正中神経および尺骨神経支配筋に高度の神経原性変化を認めた.以上より,腕神経叢内における腫瘍性病変を疑い,診断の確定を目的として腕神経叢展開術を施行した.腕神経叢は3カ所でそれぞれ紡錘状に硬く腫脹しており,一部より生検を行った.病理診断は神経線維腫であった.術後2年の現在,特に症状の進行を認めていない.
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