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特集 脊椎脊髄疾患に対する分類・評価法
第5章 腫瘍
脊髄髄内腫瘍に対する手術成績評価法
Clinical Scoring Systems for Surgical Outcome of Spinal Intramedullary Tumors
内藤 堅太郎
1
,
髙見 俊宏
1
Kentaro NAITO
1
,
Toshihiro TAKAMI
1
1大阪市立大学大学院医学研究科脳神経外科
1Department of Neurosurgery, Osaka City University Graduate School of Medicine
キーワード:
脊髄髄内腫瘍
,
spinal intramedullary tumors
,
日常生活動作
,
activities of daily living
,
健康関連の生活の質
,
health-related quality of life
Keyword:
脊髄髄内腫瘍
,
spinal intramedullary tumors
,
日常生活動作
,
activities of daily living
,
健康関連の生活の質
,
health-related quality of life
pp.420-423
発行日 2020年4月25日
Published Date 2020/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002201384
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はじめに
脊椎脊髄疾患に対する神経機能評価やQOL評価については,過去にさまざまなスコアリングシステムが使用されてきた.脊椎脊髄疾患の神経機能障害は,脊髄症と神経根症に大別されるため,疾患の病態に対して適切な評価法を選択することが重要である.また,実際に臨床で普及するためには,評価方法が簡便であり,さらには再現性があり信頼できるかどうかも重要な点である.その中で脊髄髄内腫瘍においては,術前に脊髄機能が障害されていることが多く,腫瘍摘出の際には脊髄切開が必須であるため,術後に一過性の神経障害増悪も比較的多く17.9〜41.5%と報告されている6,7,11).そのため,脊髄髄内腫瘍手術前後の神経機能評価においては,神経根症よりも脊髄症に重点を置いた評価法が適している.
また,これまで脊椎脊髄疾患では神経機能や日常生活動作(ADL)に対する医師主導型評価が主な評価法であったが,近年では健康関連の生活の質(health-related QOL:HRQOL)を評価する患者立脚型評価法が重要視されてきている.脊髄腫瘍に対しても,医師主導型評価法と患者立脚型HRQOL評価法との関連性についての報告が散見されるようになってきた.本稿では,脊髄髄内腫瘍に使用される代表的なスコアリングシステムを紹介する.
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