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特集 脊椎脊髄疾患に対する分類・評価法
第5章 腫瘍
脊髄砂時計腫—分類と手術アプローチ
Dumbbell Tumors of the Spinal Cord: Classifications
高安 正和
1
Masakazu TAKAYASU
1
1稲沢市民病院脳神経外科・脊髄末梢神経センター
1Department of Neurosurgery, Spine & Peripheral Nerve Center, Inazawa City Hospital
キーワード:
脊髄砂時計腫
,
dumbbell spinal tumor
,
脊椎脊髄手術
,
spinal surgery
,
分類
,
classification
Keyword:
脊髄砂時計腫
,
dumbbell spinal tumor
,
脊椎脊髄手術
,
spinal surgery
,
分類
,
classification
pp.413-419
発行日 2020年4月25日
Published Date 2020/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002201383
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はじめに
脊髄砂時計腫の報告の歴史は古いが,1929年Heuer4)は「硬膜,椎間孔などで絞扼された砂時計様の形態を成す一腫瘍群」と定義した.しかし,現在ではその形自体よりは,腫瘍が複数の部位に局在することを示す概念的な用語として用いられている8,9).脊髄砂時計腫の診断はMRIの普及により容易となり,全脊髄腫瘍の2割近くを占めるといわれている.発生高位では胸腰椎に比べ頸椎に多くみられ,全脊髄腫瘍の中での砂時計腫の占める割合についても頸椎において最も高い8,11).また,腫瘍は脊柱管内外に存在することが多いため,全摘出するためには手術アプローチに工夫が必要となることがある.その分類法としては,Eden分類が現在でも最も広く用いられている2).これは横位解剖に沿った分類であるため概念としては比較的わかりやすいが,手術アプローチの選択といった観点からは不十分な点があり,その他のいくつかの分類法が提唱されている.本稿では脊髄砂時計腫の代表的な分類法について概説し,その分類に従った手術アプローチについても簡潔に述べる.
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