Japanese
English
特集 脊椎脊髄疾患の再手術症例における手術のコツと留意点
髄内腫瘍における再手術
Surgical Resection of Recurrent Intramedullary Tumors
髙見 俊宏
1
Toshihiro TAKAMI
1
1大阪医科薬科大学脳神経外科
1Department of Neurosurgery, Osaka Medical and Pharmaceutical University
キーワード:
髄内腫瘍
,
spinal intramedullary tumors
,
再発
,
recurrence
,
海綿状血管奇形
,
cavernous malformation
Keyword:
髄内腫瘍
,
spinal intramedullary tumors
,
再発
,
recurrence
,
海綿状血管奇形
,
cavernous malformation
pp.927-931
発行日 2022年3月31日
Published Date 2022/3/31
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002201771
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はじめに
髄内腫瘍の病理型による分類では,上衣腫,星細胞腫などの神経上皮性腫瘍が一般的であり,腫瘍の病理学的悪性度が治療予後の最重要因子である.その他には血管芽腫,海綿状血管奇形(あるいは海綿状血管腫)などの血管系腫瘍も多い.遺伝性神経皮膚疾患であるVon Hippel-Lindau病に起因する血管芽腫においては,多発病変であることが多いため,手術適応自体に苦慮することもある.海綿状血管奇形においては,繰り返す髄内出血が深刻な神経機能悪化につながる恐れがある.これらの脊髄髄内腫瘍の手術においては,対象としている臓器が脊髄であるため,再発した場合の再手術特有の困難さは当然のこととして,神経機能維持という観点からも高難度手術となる.したがって,初回手術の成否がきわめて重要であることは,脊椎脊髄外科医共通の認識だろうと思う.本稿では,これらの髄内腫瘍の再発様式,再発時の対処方針および代表症例を提示する.なお,海綿状血管奇形は疾病および関連保健問題の国際統計分類(International Statistical Classification of Diseases and Related Health Problems,いわゆるICD分類)において新生物に分類されていないが,便宜上,本稿では髄内腫瘍の1つとして扱うこととする.
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