Japanese
English
手術手技 私のくふう
脊髄砂時計腫に対する鏡視下手術の応用
Endoscopic Surgery for Dumbbell-typed Spinal Cord Tumor in the Thoracic and Lumbar Spine
矢吹 省司
1
,
菊地 臣一
1
,
紺野 慎一
1
Shoji Yabuki
1
1福島県立医科大学医学部整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Fukushima Medical University School of Medicine
キーワード:
dumbbell tumor
,
砂時計腫
,
endoscopic surgery
,
内視鏡手術
,
spine
,
脊椎
Keyword:
dumbbell tumor
,
砂時計腫
,
endoscopic surgery
,
内視鏡手術
,
spine
,
脊椎
pp.827-832
発行日 2002年7月25日
Published Date 2002/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408903588
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抄録:脊髄砂時計腫に対する鏡視下手術を応用した術式を紹介し,その有用性について検討した.術式は,まず後方アプローチにより,腫瘍を神経上膜から剥離して後方操作を終了する.腫瘍と神経との剥離が困難な場合には,腫瘍をつけたまま神経根を硬膜分岐部で結紮して切離する.次いで,体位を側臥位とし,胸腔鏡視下または後腹膜腔鏡視下に前方アプローチで腫瘍を摘出する.本術式によって砂時計腫の摘出が行われた7例(胸椎部5例,腰椎部2例)について検討した.手術時間は,1時間1分~5時間45分(平均3時間9分)であった.術中出血量は,10ml~800ml(平均363ml)であった.術中・術後に重篤な合併症は1例も認められなかった.術後平均経過観察期間は52カ月であるが,腫瘍の再発は認められていない.胸腔鏡や後腹膜腔鏡を用いた鏡視下手術を導入することにより,従来の手術よりも低侵襲に脊髄砂時計腫の摘出が可能である.
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