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特集 脊椎脊髄疾患に対する分類・評価法
第6章 脊柱変形
成人脊柱変形の分類—SRS-Schwab分類
SRS-Schwab Adult Spinal Deformity Classification
大和 雄
1
Yu YAMATO
1
1浜松医科大学長寿運動器疾患教育研究講座
1Division of Geriatric Musculoskeletal Health, Hamamatsu University School of Medicine
キーワード:
成人脊柱変形
,
adult spinal deformity
,
分類
,
classification
,
X線パラメータ
,
spino-pelvic parameter
Keyword:
成人脊柱変形
,
adult spinal deformity
,
分類
,
classification
,
X線パラメータ
,
spino-pelvic parameter
pp.449-452
発行日 2020年4月25日
Published Date 2020/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002201390
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はじめに
成人脊柱変形は椎間板変性を主体とする変性側弯・変性後弯,骨粗鬆症や外傷による椎体骨折後の変形,思春期特発性側弯症や先天性脊柱変形の遺残,脊椎手術後に生じた医原性変形,Parkinson病などの神経筋疾患に起因する変形など,非常に多くの病態が原因となる.これらの病態はしばしば単一ではなく合併して,複雑な変形を形成する.そのために脊柱変形形態も,冠状面での側弯,矢状面での後弯,椎体自体の変形,およびグローバルアライメント異常の有無など,さまざまな変形が組み合わさることになる.また,症状も腰痛,背部痛,下肢痛,逆流性食道炎などの臓器障害,バランス不良から生じる歩行障害,整容心理的問題など多岐にわたる.成人脊柱変形とは多様な病態によって,多様な変形が生じ,多様な症状を呈する症候群であるといえる.Smithら9)は脊柱変形分類の主要な目的として,疾患を体系的に区分すること,自然経過を反映すること,健康状態や重症度に関連すること,そして治療決定に役立つことの4つを挙げている.しかし,成人脊柱変形はあまりに複雑な症候群であり,体系的に病態や変形を網羅して分類することが難しい.また,成人脊柱変形の自然経過は十分に明らかにはなっておらず,治療体系についても統一された見解がない.そのために,自然経過や治療を画一的に決定できる分類の作成は困難である.本稿では,成人脊柱変形の分類の変遷と現在最も汎用されているScoliosis Research Society(SRS)-Schwab分類8)を解説する.
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