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特集 脊椎脊髄疾患に対する分類・評価法
第1章 頸椎
頸椎後縦靭帯骨化症の形態分類
X-ray, CT Classification of Cervical Ossification of the Posterior Longitudinal Ligament
吉井 俊貴
1
Toshitaka YOSHII
1
1東京医科歯科大学整形外科学分野
1Department of Orthopaedic and Spinal Surgery, Graduate School of Medicine, Tokyo Medical and Dental University
キーワード:
後縦靭帯骨化症
,
ossification of the posterior longitudinal ligament
,
分類
,
classification
,
形態
,
morphology
Keyword:
後縦靭帯骨化症
,
ossification of the posterior longitudinal ligament
,
分類
,
classification
,
形態
,
morphology
pp.285-289
発行日 2020年4月25日
Published Date 2020/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002201350
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はじめに
後縦靭帯骨化症(ossification of posterior longitudinal ligament:OPLL)は,椎体,椎間板の背側で脊椎椎体の後縁を連結する後縦靭帯が骨化することにより脊椎管の前方から狭窄をきたし,脊髄または神経根の圧迫障害が生じる.部位は頸椎が最多であるが,胸椎や腰椎にも生じ得る.頸椎では初発症状は頸部痛,上肢のしびれ・疼痛が多い.進行すると下肢のしびれ・疼痛,知覚鈍麻,筋力低下などが出現し,重度になれば横断性脊髄麻痺となり膀胱直腸障害も出現することから,適切な検査,診断,治療が必要となってくる.OPLLは厚生労働省の指定する“指定難病”になっており,現在,約38,000人が登録されている.
頸椎OPLLは,男女比約2:1で男性に多く,40歳以上の中高年に好発する.日本では単純X線にて1.9〜4.3%で後縦靭帯骨化を認めたという報告があり10),諸外国に比べて日本もしくは東アジアに多い疾患と考えられている.近年のCTによる調査では有病率はさらに高く,6.3%と報告されている2).
OPLLは単純X線側面像で確認でき,椎体後縁に接する後縦靭帯の骨化像がみられる(図 1).ただし,上位胸椎や骨化巣が小さい場合,他組織の陰影と重なっている場合などは,正確な読影は困難であることもまれではない.CTではより明確に骨化を確認することができ,CTの再構成画像が診断に用いられることも多い.
これまで頸椎OPLLの形態的な画像分類は数多く報告されており,単純X線を用いたものと,CT(MRI)を用いたものがある.本稿ではその代表的なものを紹介する.
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