Japanese
English
特集 脊椎脊髄疾患に対する分類・評価法
第2章 胸椎・胸腰椎
胸椎後縦靭帯骨化症の骨化形態分類
Morphological Classification of Ossification of the Posterior Longitudinal Ligament of the Thoracic Spine
岡田 英次朗
1
,
松本 守雄
1
Eijiro OKADA
1
,
Morio MATSUMOTO
1
1慶應義塾大学整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Keio University School of Medicine
キーワード:
胸椎
,
thoracic spine
,
後縦靭帯骨化症
,
ossification of the posterior longitudinal ligament
,
分類
,
classification
Keyword:
胸椎
,
thoracic spine
,
後縦靭帯骨化症
,
ossification of the posterior longitudinal ligament
,
分類
,
classification
pp.312-315
発行日 2020年4月25日
Published Date 2020/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002201357
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
はじめに
胸椎後縦靭帯骨化症(ossification of the posterior longitudinal ligament:OPLL)は進行性の脊髄麻痺をきたした場合,保存治療は基本的に無効であることから手術治療が選択されることが多い.Kawaguchiら4)は178例の頸椎OPLLの全脊柱CTを評価し,後縦靭帯骨化の存在を認めたのが頸椎のみ46.6%,頸椎+胸椎25.8%,頸椎+腰椎9%,頸椎+胸椎+腰椎18.5%と,頸椎以外に後縦靭帯骨化を認める割合は53.4%と比較的多かったことを報告している.胸椎OPLLは頸椎OPLLよりも頻度は少ないものの,その解剖学的構造により,頸椎とは異なり術後麻痺悪化や周術期合併症の頻度が比較的高いことが報告されている.これまで諸家によりさまざまな手術方法(後方除圧術,前方固定術,後方除圧固定術,後方進入による脊髄全周除圧術)が報告されているが,残念ながら手術成績は必ずしも良好ではない.手術計画を立てる際に,除圧するべき脊髄がどのような骨化形態により圧迫を受けているかを術前に評価することはきわめて重要である.また,胸椎は頸椎や腰椎とは異なり生理的後弯が存在するために,矢状面カーブと骨化の関係についても十分な評価が必要となる.
本稿では,これまでに報告された胸椎OPLLの骨化形態の分類について手術成績とともに概説する.
Copyright © 2020, MIWA-SHOTEN Ltd., All rights reserved.