Japanese
English
イラストレイテッド・サージェリー 手術編Ⅱ-102
脊椎側方アプローチ手術の展開法—高位別のコツ ②胸腰椎移行部—経横隔膜展開, 胸椎—胸膜外展開
Surgical Approaches for Lateral Access Spinal Surgeries:Trans-diaphragmatic Retroperitoneal Approach for Thoraco-Lumbar Lesion and Extra-pleural Approach for Thoracic Spine
金村 徳相
1
Tokumi KANEMURA
1
1江南厚生病院整形外科・脊椎脊髄センター
1Spine Center, Konan Kosei Hospital
pp.773-785
発行日 2018年9月25日
Published Date 2018/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002200949
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
手術適応
側方経路腰椎椎体間固定術(lateral interbody fusion:LIF)は,椎間板側方からの大型ケージ挿入による効果的な椎間高整復と椎体周囲の強い部分で支えることによる安定した椎体間固定ができる.LIFでは側方線維輪は切離するものの,ほかの靭帯組織を残して椎間高を整復するため,靭帯が再緊張し靭帯張力整復により,間接除圧や冠状面・矢状面での矯正が行える.椎間変性により脊柱管狭窄と不安定性や変形が生じている変性すべりや変性側弯・後側弯症がよい適応といえる.LIF機器を用いた側方アプローチ椎体再建では,椎体自体に骨折や変形がある症例にも適応が広がり,椎体横径に及ぶエンドプレートをもつ椎体ケージにより安定した椎体再建が可能である.LIF-ACRでは前縦靭帯を切離して大きな前弯のついたLIFケージを挿入し,椎体スクリューで固定することでPSOと同等の前弯を獲得する.LIFは腰椎変性疾患だけではなく成人脊柱変形,脊椎外傷,胸椎椎間板ヘルニアや胸椎後弯症などにも適応疾患が広がるにつれて,その施行範囲は中下位胸椎から胸腰椎移行部にも広がってきた.中下位腰椎LIFとは異なり,中下位胸椎では胸腔内または胸膜外展開,胸腰椎移行部には経横隔膜的後腹膜腔展開が必要になる.
Copyright © 2018, MIWA-SHOTEN Ltd., All rights reserved.