書評
機能解剖で斬る神経系疾患 第2版
髙橋 昭
1
1名古屋大学
pp.851
発行日 2018年9月25日
Published Date 2018/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002200964
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「暗記」ではなく「納得・理解」の書である
神経解剖学は,医学生にとって取っ付きにくい基礎医学である.神経系は,ほかの臓器と異なり,実物を観察する機会がなく,伝導路などを視覚化しにくいことに理由がある.欧米では,近年選択に迷うほど素晴らしく美しい脳や脊髄に関するアトラスや神経解剖学書が発行されている一方,神経系の機能と形態との密接な関連性に重点を置いて書かれた「機能解剖学書」はごく少ない.
最近,解剖学者中野隆教授の編著になる『機能解剖で斬る神経系疾患 第2版』が刊行された.本書は,解剖学書であると同時に,神経系の機能との関連性に重点を置き,さらに臨床症候やベッドサイドの神経診断学についても言及されている魅力あふれる個性的な「神経学書」である.
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