特集 脊髄ニューロモデュレーションの現状
特集にあたって
高橋 敏行
1
1藤枝平成記念病院脊髄脊椎疾患治療センター
pp.13
発行日 2018年1月25日
Published Date 2018/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002200772
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脊髄脊椎疾患の外科治療は,さまざまな神経除圧や矯正固定など根治的な手技が発展を遂げており,良好な機能回復や疼痛制御をもたらしています.一方で,脳や脊髄機能に不可逆的変化をきたし通常の外科治療では限界が生じている病態もいまだに多く存在します.電気刺激や髄腔内薬物投与による脊髄ニューロモデュレーションは,根治的ではないものの難治性の神経機能障害を緩和修飾することにより,痙縮や疼痛,血流障害に対し効果を発揮しています.また,国内では仙骨神経刺激療法(sacral neuromodulation:SNM)が便失禁や過活動膀胱に対して適応が認められています.
残された脊髄機能を最大限有効活用するために,ニューロモデュレーションがいったいどのような病態に,どの程度の効果が期待できるのか? 最新機器や技術進歩により以前より何が進歩しているのか? この治療法の現時点での限界や問題点は何か? について,各エキスパートの先生方にわかりやすく解説をしていただいております.
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