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脳脊髄液漏出症は起立性頭痛を典型とし,めまいや耳鳴,倦怠感などを伴う疾患であり,呼称についても変遷があり本誌でもこれまで2006年,2009年,2012年に「低髄液圧症候群(脳脊髄液減少症)に関する最新動向」,2016年に「脳脊髄液漏出症の診断と治療」として特集が組まれています.複数回の企画や発行部数の実績を鑑みてもこの疾患への関心の高さ,臨床社会面での重要性がうかがわれます.また,この疾患に対し2016年4月より硬膜外自己血注入法(ブラッドパッチ療法)が保険収載され,保険診療下での治療症例が蓄積されています.2019年には脳脊髄液漏出症診療指針が作成され,2021年にはJAMAに特発性低髄液圧症候群のシステマティックレビュー・メタ解析も報告されています.診断と治療も確立されてきており,最新情報のアップデートが必要な話題と考え企画いたしました.
守山英二先生には本疾患の歴史的背景と分類,本邦での診療指針作成の経緯につき詳述していただき,鹿戸将史先生にはスクリーニング検査として脳・脊髄MRIが重要であること,特に脊髄MRIにおける評価法と特徴的な所見について解説いただきました.中川紀充先生には診療方針とともに,症候例と治療選択の実際およびその治療成績について具体例を含め提示いただき,矢島翼先生には本疾患の治療にて重要な選択肢となるブラッドパッチ手技の詳細と注意点・問題点を説明いただきました.畠山哲宗先生には小児例における症候および画像上の特徴と推奨する治療法,学校・家族・医療者の理解と連携が重要であることを示していただきました.高橋浩一先生には両側性,若年発症,非外傷性の慢性硬膜下血腫症例においては本疾患の合併を念頭に置き,慎重な治療選択が必要であること,内門久明先生には通常の検査所見では確定診断が難しく治療も含め特殊な病態であるCSF-venous fistulaについて論述していただきました.

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