特集 目で見て学ぶ脊髄・末梢神経疾患の診察法(動画付き)
特集にあたって
高橋 敏行
1
1藤枝平成記念病院脊髄脊椎疾患治療センター
pp.805
発行日 2024年1月19日
Published Date 2024/1/19
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002202202
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近年,さまざまな画像診断法が飛躍的に進歩しているものの,脊髄・末梢神経疾患では画像所見が必ずしも診断の決め手とはならず,その診療において神経学的診察は,病歴聴取やほかの検査と同様に疾患や責任病変の局在を推定するうえで最も大切な診断プロセスになります.また,他覚的神経徴候がなくとも,疼痛領域の可動痛や誘発痛,圧痛などを客観的に確認することは運動器疾患との鑑別に重要です.しかしながら,神経診察の成書を読むだけでは,具体的にどのような力加減やスピードで所見をとるべきか,正しい徴候を観察するためのコツがあるのかを実感するのは難しいかと思います.“百聞は一見に如かず”であり,見る,触る,動かす,打腱器で叩くなど患者さんを診るためのポイントを整理し,動画を含めエキスパートの先生方にまとめていただきました.
正しい神経診察法を学ぶことは医学生や看護師,リハビリテーションスタッフなどにおいても大切であり,ましてや開業医や救急医など診療のファーストラインに立つ者にとって必須事項です.また,この領域における専門家といえども脊髄・末梢神経疾患の診察法を見直し,ブラッシュアップするよい機会になると考えます.さらに,この特大号は根性痛や腰殿部痛の鑑別として,各関節疾患の基本的診察法,一度見たら忘れない徴候や歩行についても網羅した企画としております.実践的で効果的な診察方法や特異的な症候や歩容,姿勢などについて,できるだけ動画を取り入れ,初級者でも理解しやすいよう写真や図も多く取り入れております.
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