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特集 高齢者の脊柱変形Up to Date
第2章 治療
成人脊柱変形症に対して矯正を主目的とした手術の施行を検討する際のsimulationとしてのcasting testの有効性
Effectiveness of Casting Test as Preoperative Simulation for Correction Surgery of Adult Spinal Deformity
金子 慎二郎
1
,
谷戸 祥之
1
,
朝妻 孝仁
1
Shinjiro KANEKO
1
,
Yoshiyuki YATO
1
,
Takashi ASAZUMA
1
1独立行政法人国立病院機構村山医療センター整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, National Hospital Organization Murayama Medical Center
キーワード:
成人脊柱変形症(adult spinal deformity)
,
casting test
,
alignment
Keyword:
成人脊柱変形症(adult spinal deformity)
,
casting test
,
alignment
pp.403-411
発行日 2017年4月25日
Published Date 2017/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002200608
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はじめに
成人の脊柱変形,特に後側弯を有する症例で,立位継続時の腰背部痛を主訴とする症例がしばしば認められるが,一般的に腰背部痛の原因としてはさまざまな要素が関与している可能性があるため,立位継続時の腰背部痛の原因を明らかにすることは,適切な治療方針を立てていくうえで重要である.特に,これらの症例に対して矯正を主目的とした手術の施行を検討する際には,手術前のsimulationの1つとして,手術による患者さんの愁訴の改善の有無を確認することはきわめて重要である.われわれはこれまでに,仰臥位になった際にある程度のalignmentの改善の得られる非構築性の後側弯を有する症例においては,仰臥位で体幹ギプス巻きを行うcasting testを行い,立位継続時の腰背部痛が改善するか,あるいはどれくらい改善するかを調べることによって,矯正固定術を行った場合に愁訴の改善が得られるか,また,どの程度の改善が得られるかを確認可能であることを見出してきた.一方,適切な手術計画を立てるうえでの手術前のsimulationの1つとして,手術前後の非固定椎における代償性のalignment変化を手術前に予測することもきわめて重要である.われわれはこれまでに,非固定椎における代償性のalignment変化を予測する手段としても,casting testが有用であることも見出している.
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