Japanese
English
特集 頸椎後方固定術—適応と手技の変遷
中下位頸椎椎弓根スクリューの実際
Cervical Pedicle Screw in the Middle and Lower Cervical Spine
中島 宏彰
1
,
金村 徳相
1
,
佐竹 宏太郎
1
,
世木 直喜
1
,
大内田 隼
1
Hiroaki NAKASHIMA
1
,
Tokumi KANEMURA
1
,
Kotaro SATAKE
1
,
Naoki SEGI
1
,
Jun OUCHIDA
1
1江南厚生病院整形外科・脊椎脊髄センター
1Spine Center and Department of Orthopedic Surgery, Konan Kosei Hospital
キーワード:
頸椎椎弓根スクリュー(cervical pedicle screw)
,
中下位頸椎(middle and lower cervical spine)
,
ナビゲーション(navigation)
Keyword:
頸椎椎弓根スクリュー(cervical pedicle screw)
,
中下位頸椎(middle and lower cervical spine)
,
ナビゲーション(navigation)
pp.39-45
発行日 2017年1月25日
Published Date 2017/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002200530
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はじめに
中下位頸椎に対する頸椎椎弓根スクリューは,鐙らにより1994年に報告された頸椎後方インストゥルメンテーションシステムである1).厚い皮質骨をもつ椎弓根にスクリューを刺入するため,その引き抜き強度は高く,ほかの内固定材料に比べ高い固定性を有する12).そのため,短い固定範囲で確実性の高い内固定が得られ,不安定性の高い頸椎脱臼骨折や後弯矯正などの矯正固定の際に使用されることが多い15).また,骨粗鬆症に伴う骨脆弱性のため,外側塊スクリューなどでは固定力に不安の残る症例もよい適応と考えられる.頸椎椎弓根スクリューは,その固定性に加え,固定を椎弓や棘突起に依存しないため,固定範囲の選択が脊髄除圧範囲に影響を受けないことも特徴で,ワイヤリングやフックシステムと異なり,後方除圧との併用が可能である.一方で,スクリュー刺入経路が神経・血管と隣接するため,神経血管損傷の危険性があり,その使用には十分な注意を払う必要がある1).特に中下位頸椎では,頸椎椎弓根経が小さく17),その角度が急峻であるため8,9),椎弓根スクリューを正確に刺入することは容易ではない.今回は,中下位頸椎椎弓根スクリューを使用する際の術前計画とその刺入について,最新の知見を交えて解説する.
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