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特集 頸椎後方固定術—適応と手技の変遷
後頭頸椎固定術の術式・適応の変遷
Transition of Methods and Indications of the Occipito-cervical Fixation
青山 正寛
1
,
高安 正和
1
Masahiro AOYAMA
1
,
Masakazu TAKAYASU
1
1愛知医科大学脳神経外科
1Department of Neurological Surgery, Aichi Medical University
キーワード:
頭蓋頸椎移行部(cranio-cervical junction)
,
後頭頸椎固定術(occipito-cervical fixation)
,
経口手術(trans-oral surgery)
Keyword:
頭蓋頸椎移行部(cranio-cervical junction)
,
後頭頸椎固定術(occipito-cervical fixation)
,
経口手術(trans-oral surgery)
pp.16-22
発行日 2017年1月25日
Published Date 2017/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002200525
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はじめに
頭蓋頸椎移行部は後頭骨から第2頸椎までのことをいい,前後・左右への屈曲,回旋といったきわめて多くの運動を行う.この運動には,後頭骨・環椎関節,環・軸椎関節といった骨構造とともに多彩な靭帯が重要な役割を果たしており,これらの解剖・機能の特殊性から不安定性をきたしやすい.そのため,この部位の手術では除圧術とともに固定術が重要となる14).
頭蓋頸椎移行部の固定術では,以前はワイヤーと移植骨を用いた方法が中心であった.しかし,固定力の問題から現在ではインストゥルメンテーションを用いた固定術が中心となっている.頭蓋頸椎移行部のインストゥルメンテーションを用いた固定術は,前方法と後方法に大別される.時代とともに各手術法の適応や手技は変化してきており,現在主に行われている手技としては,前方法ではanterior odontoid screw fixation法,後方法では,後頭頸椎固定術としてoccipito-cervical plate-screw fixation,環軸椎固定術としてC1/2 transarticular screw fixationならびにC1 lateral mass-C2 screw fixationが中心である14).この中でも後頭頸椎固定術は,日常臨床の中でもその適応症例が減少している.本稿では,後頭頸椎固定術の変遷について述べ,その適応症例の減少の原因について考察する.
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