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はじめに
頸椎固定法は,以前はワイヤーと移植骨を用いる方法が中心であった.しかし,ワイヤーの緩みや移植骨の萎縮などによる固定力低下の問題から,現在ではinstrumentationを用いた固定法が中心となっている.現在広く行われている手技としては,頭蓋頸椎移行部では後頭頸椎固定としてoccipito-cervical plate-screw fixation,環軸椎固定としてはC1 lateral mass screw-C2 screw(pedicle screwあるいはtranslaminar screw)fixationとC1-2 transarticular screwがある24).中下位頸椎で用いるinstrumentationとしては,lateral mass screw,pedicle screwとsubaxial transarticular screwが代表的である25).
これらさまざまな固定法を症例に応じて使い分けていくことになるが,一般的にinstrumentationを用いる脊椎手術では,単純な除圧術に比してinstrumentation誤挿入による神経損傷,感染,instrumentationの脱転や隣接椎間障害などの合併症のリスクが増大する.さらに,頸椎instrumentationにおいては特徴的な合併症として,椎骨動脈(vertebral artery:VA)を中心とした血管損傷,後頭頸椎固定術後の嚥下・呼吸障害,術後C5麻痺などが挙げられる.本稿では,頸椎後方instrumentationによる特徴的な合併症について,その病態,予防法,そして起こってしまった際の対処法について述べる.
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