特集 頸椎後方固定術—適応と手技の変遷
特集にあたって
高安 正和
1
1愛知医科大学脳神経外科・脊椎脊髄センター
pp.15
発行日 2017年1月25日
Published Date 2017/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002200524
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頸椎の固定術は大きく前方法と後方法に分類される.このうち後方法に関しては,移植骨をワイヤーで固定する手技に始まり,金属ロッドをワイヤーで固定する手技,さらに骨スクリューを用いた手技へと変遷してきた.現在,主に使用されている骨スクリューを用いた頸椎後方固定術の各種手術手技は2000年代初頭には出そろい,本邦においても普及してきた.本誌ではこれらの手術手技について何度か特集が組まれており,直近では2010年(第23巻)の6月号に動画シリーズ「各種頸椎後方固定術の実際」として掲載されている.しかし,各種手術手技は時代とともに進歩を重ね,さらにナビゲーションの普及なども加わり手術の精度や安全性は確実に進化している.また,それぞれの手技の進歩は手術方法の選択基準についても変化をもたらしてきている.たとえば,われわれの施設では,以前には後頭頸椎固定術を行わざるを得なかったような症例が環軸椎固定で対応できるようになり,後頭頸椎固定術の適応症例は確実に減少している.そこで本特集では,過去10年ほどの間に生じた頸椎後方固定術の「適応と手技の変遷」について各分野のエキスパートの先生方に執筆していただいた.いずれも力作であり,現時点での頸椎後方固定についての知見を整理するためにお役立ていただけると確信している.
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