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Spine & Spinal Cord Volume 30, Issue 1 （January 2017）

脊椎脊髄ジャーナル 30巻1号（2017年1月発行）

Japanese English

特集頸椎後方固定術—適応と手技の変遷

後頭頸椎固定術の嚥下・呼吸障害の予防 Prevention and Management of Dysphagia and/or Dyspnea after Occipitocervical Fusion 井関雅紀 ¹ , 根尾昌志 ² Masanori IZEKI ¹ , Masashi NEO ² ¹公益財団法人田附興風会医学研究所北野病院整形外科 ²大阪医科大学生体管理再建医学講座整形外科 ¹Department of Orthopaedic Surgery, Kitano Hospital, The Tazuke Kofukai Medical Research Institute キーワード：後頭頸椎固定術（occipito-cervical fusion） , 嚥下/呼吸障害（dysphagia and/or dyspnea） , 合併症（complication） Keyword: 後頭頸椎固定術（occipito-cervical fusion） , 嚥下/呼吸障害（dysphagia and/or dyspnea） , 合併症（complication） pp.61-68

発行日 2017年1月25日 Published Date 2017/1/25

DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002200535

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参考文献 Reference

はじめに

　後頭頸椎固定術（O-C固定術）後に嚥下障害や呼吸障害が生じ，ときに重篤な結果を招くことが知られてきた^11）．嚥下障害は，軽度の自覚的なものから，しばしば脱水や体重減少・誤嚥性肺炎など患者QOLに直結する重篤な病態である．近年の生物学的製剤導入による関節リウマチ（rheumatoid arthritis：RA）治療のパラダイムシフトにより，幸いにもリウマチ性滑膜炎による重度の破壊性頸椎病変は減少し，脊椎外科医が経験するO-C固定術の機会は激減している．そのため，本手技によって生じ得る術後の嚥下/呼吸障害（dysphagia and/or dyspnea：DD）発生の本質を知り，合併症回避のための留意点を熟知することの重要性がより増しているものと考える．