Japanese
English
特集 脊椎脊髄イメージングの進歩と話題の疾患
q-Space imagingによる髄鞘イメージングの開発
Development of the Myelin Map Using q-Space Imaging
藤吉 兼浩
1,2,3,4
,
疋島 啓吾
4,7
,
中原 仁
5
,
畑 純一
4,6
,
谷戸 祥之
1
,
中村 雅也
3
Kanehiro FUJIYOSHI
1,2,3,4
,
Keigo HIKISHIMA
4,7
,
Jin NAKAHARA
5
,
Junichi HATA
4,6
,
Yoshiyuki YATO
1
,
Masaya NAKAMURA
3
1独立行政法人国立病院機構村山医療センター整形外科
2独立行政法人国立病院機構村山医療センター脊髄損傷治療技術研究室
3慶應義塾大学医学部整形外科
4慶應義塾大学医学部生理学
5慶應義塾大学医学部神経内科
6実験動物中央研究所
7沖縄科学技術大学院大学(OIST)アニマルリソースセクション
1Department of Orthopedic Surgery, National Hospital Organization, Murayama Medical Center
キーワード:
q-Space imaging
,
核磁気共鳴画像法(MRI)
,
髄鞘(myelin)
Keyword:
q-Space imaging
,
核磁気共鳴画像法(MRI)
,
髄鞘(myelin)
pp.861-869
発行日 2016年9月25日
Published Date 2016/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002200459
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はじめに
本誌27巻4号において,拡散テンソルイメージングの有用性について述べた5).拡散テンソルにより神経走行を描出することが可能となり,脊髄損傷,圧迫性脊髄症や脊髄腫瘍においては臨床でもその有用が示されてきた8,9).一方,近年脊髄再生において再髄鞘化が重要な要素であることが明らかとなってきたが,生体においてそれを確認する方法は存在しなかった.代表的な脱髄疾患である多発性硬化症においては,古くからMRIと臨床症状の乖離,いわゆる“clinico-radiological paradox”3)が放射線科と神経内科における最大関心事の1つであったことは,MRIで脱髄と再髄鞘化を描出することの困難さを物語っている.今回われわれは,q-Space imagingという新たな手法を応用することにより,世界で初めて髄鞘を可視化することに成功した.われわれはこの方法をミエリンマップ(Myelin Mapまたはq-Space Myelin Map)と名づけ,本法が基礎研究だけでなく臨床においても有用であることを証明してきた7).本稿では,q-Space imagingの原理と,ミエリンマップの最新のデータを紹介する.
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