Japanese
English
整形外科診療における最先端技術 Ⅰ.診断,評価
1.新しい画像・機能診断
MRI定量的画像法(T1ρ,T2,T2*)による椎間板変性の評価
Assessment of intervertebral disc degeneration with quantitative MR image analysis
高島 弘幸
1
,
吉本 三徳
2
,
竹林 庸雄
3
,
今村 塁
1
,
赤塚 吉紘
1
,
山下 敏彦
2
H. Takashima
1
,
M. Yoshimoto
2
,
T. Takebayashi
3
,
R. Imamura
1
,
Y. Akatsuka
1
,
T. Yamashita
2
1札幌医科大学附属病院放射線部
2札幌医科大学整形外科
3札幌円山整形外科病院
1Division of Radiology and Nuclear Medicine, Sapporo Medical University Hospital, Sapporo
キーワード:
quantitative image analysis
,
intervertebral discs
,
MRI
Keyword:
quantitative image analysis
,
intervertebral discs
,
MRI
pp.16-19
発行日 2019年4月25日
Published Date 2019/4/25
DOI https://doi.org/10.15106/j_besei75_16
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は じ め に
椎間板病変の診断において,MRIの有用性は高い.MRIは,T1およびT2緩和時間,プロトン密度が画像を構成する主な因子であり,これらの差を強調した画像が日常の検査で用いられているT1強調画像,T2強調画像,プロトン密度強調画像である.椎間板変性の評価法は,T2強調画像を用いた視覚的な方法が簡便であり,多くの研究で用いられてきた.T2強調画像における椎間板の信号変化は,加齢による変性を反映し,椎間板変性の程度を評価することが可能である1).しかし,前述したようにT2強調画像は,T2緩和時間の差を強調した定性画像であることから,信号値を定量値として取り扱うのは困難である2).一方,MR装置や撮像方法の発展により,さまざまな定量的画像評価法が開発され,椎間板においても解析が行われている.特にT1ρ,T2,T2*については,軟骨の評価をはじめ3),椎間板の解析についてもいくつかの報告がある4,5).しかし,これらを同一症例で検討した報告は少ない.
本研究の目的は,椎間板の定量的評価法として報告されているT1ρ,T2,T2*について比較検討し,それらの特徴および有用性について検討することである.
© Nankodo Co., Ltd., 2019