Japanese
English
特集 Surfer's myelopathyとその周辺
胸椎レベルの脊髄の動的障害
Dynamic Factors of Thoracic Spine Cause Thoracic Myelopathy
安藤 圭
1
,
今釜 史郎
1
,
小林 和克
1
,
西田 佳弘
1
,
石黒 直樹
1
Kei ANDO
1
,
Shiro IMAGAMA
1
,
Kazuyoshi KOBAYASHI
1
,
Yoshihiro NISHIDA
1
,
Naoki ISHIGURO
1
1名古屋大学医学部整形外科
1Department of Orthopedics Surgery, Nagoya University Graduate School of Medicine
キーワード:
胸椎(thoracic spine)
,
胸髄症(thoracic myelopathy)
,
動的因子(dynamic factor)
Keyword:
胸椎(thoracic spine)
,
胸髄症(thoracic myelopathy)
,
動的因子(dynamic factor)
pp.797-804
発行日 2016年8月25日
Published Date 2016/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002200442
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
はじめに
胸郭に囲まれた胸椎は,可動性の大きい頸椎,腰椎に比較し,加齢性変化が出現しにくいため脊髄障害は生じにくいとされる.日本脊椎脊髄病学会脊椎脊髄手術調査報告では,31,380例中胸椎手術は1,264例(4%)と報告されている6).しかし,本邦は高齢化社会の一途をたどっており,胸椎部においても変性疾患が増加し,胸椎手術も増加していくことが予想される.胸椎椎間板ヘルニア,胸部脊椎症,胸椎後縦靭帯骨化症(ossification of the posterior longitudinal ligament:OPLL),胸椎黄色靭帯骨化症(ossification of the ligamentum flavum:OLF)に代表される胸髄症は,一般に脊髄障害が出現すると進行が早く,早期の対応が必要である.頸椎における脊髄障害の発生には動的因子が関与していると報告されており13),胸椎部でも同様の関与が考えられる.本稿では,胸椎レベルの脊髄動的障害について,胸椎の解剖,生理的可動性を述べた後,自験例をもとに胸髄症原因疾患別に動的因子の影響,重要性について解説する.
Copyright © 2016, MIWA-SHOTEN Ltd., All rights reserved.