Japanese
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特集 脊椎脊髄の感染・炎症
感染性脊椎炎の単純X線,CT所見
Pyogenic and Tuberculous Spondylitis:Plain Radiography and CT Findings
中山 学
1
,
江原 茂
1
Manabu NAKAYAMA
1
,
Shigeru EHARA
1
1岩手医科大学医学部放射線医学講座
1Department of Radiology, Iwate Medical University School of Medicine
キーワード:
化膿性脊椎炎(pyogenic spondylitis)
,
結核性脊椎炎(tuberculous spondylitis)
,
単純X線(radiography)
Keyword:
化膿性脊椎炎(pyogenic spondylitis)
,
結核性脊椎炎(tuberculous spondylitis)
,
単純X線(radiography)
pp.581-586
発行日 2015年6月25日
Published Date 2015/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002200159
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はじめに
結核を含めた脊椎の感染症は腰痛症の原因として早期に診断・治療する必要のある疾患であり,その早期診断において画像診断の果たす役割は大きい.また,化膿性脊椎炎と結核性脊椎炎では治療法が異なっており,両者を早期に鑑別することも重要である.その鑑別はそれぞれの病態の特徴と深くかかわっている.早期の脊椎炎での画像診断におけるMRIの有用性はすでに多くの文献で強調されていることであり,脊椎終板から椎間板や脊椎周囲の軟部組織の病変の広がりが十分なコントラストをもって描出できることが知られている.それに対して単純X線やCTは救急現場で多く用いられており,その早期診断から病変の経過観察における知識は重要である.特にCTは,脊椎という複雑な骨を詳細に描出でき,さらにMRIと比較して腐骨や石灰化の描出に優れるという利点がある.また,CTガイド下生検による組織診断や原因菌を同定するための細菌学的評価,治療に関わる経皮的ドレナージ術まで,治療にも大きく寄与している.このように,感染性脊椎炎においては,単純X線,CTの画像所見を理解することは重要である.本稿では,脊椎感染症の早期診断,および化膿性脊椎炎と結核性脊椎炎の鑑別を中心に,単純X線,CTの画像所見について概説する.
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