特集 臨床医必携 単純X線写真の読み方・使い方
骨格系
膠原病と骨関節病変―単純X線所見が決め手になる関節炎の診断
苫米地 牧子
1
,
江原 茂
1
1岩手医科大学放射線医学講座
pp.324-330
発行日 2004年11月30日
Published Date 2004/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402101222
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典型的な症例
62歳,女性.両手関節の腫脹と疼痛を訴えて来院.手の単純X線撮影が施行された.図はその写真である(図1a).手関節部の軟部組織の腫脹は明らかである.また遠位橈尺関節と手根中央関節裂隙が狭小化している.
手関節部の拡大像(図1b)では,特に尺骨茎状突起の周囲に軟部組織の腫脹が著しく,また茎状突起尺側に侵食(erosion)を認める.さらに中手指節関節の拡大像(図1c)では,関節辺縁部皮質の輪郭が不明瞭化となっている.このような軽微な骨侵食は,第2~5中手指節関節のいずれでも認められる.これらはいずれも慢性化した滑膜炎の所見である.関節リウマチのこのような典型的所見の特異性は高い.
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