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特集 脊椎脊髄の冠名徴候・症候群
Ⅱ.冠名症候群
Barré-Liéou症候群
Barré-Liéou Syndrome
亀山 隆
1
Takashi KAMEYAMA
1
1独立行政法人労働者健康福祉機構中部ろうさい病院神経内科
1Department of Neurology, Chubu Rosai Hospital
キーワード:
Barré-Liéou症候群(Barré-Liéou syndrome)
,
頸性めまい(cervical vertigo)
,
交感神経(sympathetic nerve)
Keyword:
Barré-Liéou症候群(Barré-Liéou syndrome)
,
頸性めまい(cervical vertigo)
,
交感神経(sympathetic nerve)
pp.381-383
発行日 2015年4月25日
Published Date 2015/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002200114
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はじめに
Barré-Liéou症候群は,フランスの神経学者Jean Alexandre Barré(1880-1967)によって,1925年に提唱され1),Barréの門下生であるYong Choen Liéouが,1928年に学位論文として詳述したものである.その後,この症候群の本来の姿はさまざまに修飾され,同義語が生じ,病因論や症候論について多くの混乱が生じた.本症は自覚的かつ非特異的な症状が主体で,客観的に検査で捉えられず,病態生理が確立していないことなどから,英米では独立した症候群として認知されていない.わが国においては,この症候群はむち打ち損傷後の不定愁訴の総称のように扱われたが,現在ではこの病名が診断に積極的に使用されることはないのが現状である.そこで,まずは原著に戻って本来の概念と定義を述べて,歴史的変遷を振り返ることにする.
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