今月の主題 神経内科の動き
知っておきたい症候群
Barré-Liéou症候群
平山 恵造
1
,
島 克司
2
1順大・脳神経内科
2順大・脳神経外科
pp.1384-1386
発行日 1974年11月10日
Published Date 1974/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402205642
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はじめに
フランスの神経医J. A. Barréは1926年,arthrite cervicale(頸椎症)の慢性期に,普通は頭蓋内疾患の徴候である後頭部痛,眩暈,耳鳴,眼障害,発作性の無声や嗄声などの自覚症状を主体とする一連の症状がみられることに着目し,これは椎骨動脈周囲の交感神経,すなわち,椎骨神経N. vertebralisおよび椎骨神経叢Plex. vertebralisの刺激によるものであると考え,“後頸部交感神経症候群 syndrome sympathique cervical postérieur”と命名し,1928年,彼の門下生Y. C. Liéouがこれを詳述した.これを後年Barré-Liéou症候群と呼称するようになった.
しかし,この症候群の成立機序(病態生理)と臨床症状はきわめて複雑多彩で,本症についての統一見解が得られず,さまざまな名称が同意義語として使用されてきた.
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