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特集 脊椎脊髄の冠名徴候・症候群
Ⅰ.冠名徴候
第7章:その他の徴候
Adie瞳孔
Adie's Pupil
三宅 晃史
1
,
荒木 信夫
1
Akifumi MIYAKE
1
,
Nobuo ARAKI
1
1埼玉医科大学神経内科
1Department of Neurology, Saitama Medical University
キーワード:
緊張性瞳孔(tonic pupil)
,
異常神経再生説(neuronal misdirection hypothesis)
,
経房水拡散説(trans-aqueous hypothesis)
Keyword:
緊張性瞳孔(tonic pupil)
,
異常神経再生説(neuronal misdirection hypothesis)
,
経房水拡散説(trans-aqueous hypothesis)
pp.344-346
発行日 2015年4月25日
Published Date 2015/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002200100
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Adie瞳孔は緊張性瞳孔(tonic pupil)の別名で,主に米国などでの呼ばれ方である.緊張性瞳孔とは,瞳孔が散大していて対光反射は消失しているが,輻輳(近見反射)は可能であるもので(対光・近見解離),その際数秒かかって縮瞳し,数秒かかって散瞳する現象のことである(ちなみに,“近見・対光解離”とはvon Economo昏睡型脳炎でみられる症状であり,近見反射が障害され対光反射が保たれているもののことで,緊張性瞳孔とは逆の現象である)3).いったん縮瞳すると長時間縮瞳していることから,1931年にHolmesにより緊張性瞳孔(tonic pupil)と命名された.
そもそも緊張性瞳孔自体は1800年代初頭から報告されており,William J. Adie(1886-1935)ら1)は1931年に緊張性瞳孔と腱反射消失を伴う6例を報告,さらに1932年に不全型も含め報告し,賛否両論ありながらAdie症候群と呼ばれるに至っている.
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