症候群・徴候
Adie (アディ)症候群
平山 恵造
1
1順大脳神経内科
pp.58
発行日 1974年1月1日
Published Date 1974/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406203477
- 有料閲覧
- 文献概要
緊張性の瞳孔反応障害と腱反射消失からなつている。瞳孔は対光および幅輳に対し反応がおそく,光を当てると徐々に収縮し,暗室におくとき,ゆつくりと散瞳する。輻輳でも同様である。そのため一見して瞳孔反応が消失してみえることもある。瞳孔障害は両側性にもくるが,多くは一側性で,障害側の瞳孔が健側より大きいことが多い。すなわちArgyll Robertson徴候にみるような縮瞳はあまりみられない。しかも瞳孔は正円形を呈さず卵円形,楕円形をなす。
腱反射の消失は上肢よりは下肢において目立ち,Adie症候群の約2/3はこのような完全な形とされているが,1/3は腱反射消失を伴わない不完全な型である。
Copyright © 1974, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.