Japanese
English
特集 「偽性局在徴候」からみた脊髄・馬尾・神経根症状
単一L5神経根症を呈した上位腰椎の圧迫性病変
Upper Lumbar Compressive Lesions Presenting with L5 Monoradiculopathy
池田 宏之
1
,
花北 順哉
2
,
高橋 敏行
2
,
上坂 十四夫
3
Hiroyuki IKEDA
1
,
Junya HANAKITA
2
,
Toshiyuki TAKAHASHI
2
,
Toshio UESAKA
3
1京都大学大学院医学研究科脳神経外科学
2藤枝平成記念病院脊髄脊椎疾患治療センター
3馬場記念病院脳神経外科
1Department of Neurosurgery, Kyoto University Graduate School of Medicine
キーワード:
偽性局在徴候(pseudolocalizing sign)
,
L5神経根症(L5 radiculopathy)
,
腰椎(lumbar spine)
Keyword:
偽性局在徴候(pseudolocalizing sign)
,
L5神経根症(L5 radiculopathy)
,
腰椎(lumbar spine)
pp.191-197
発行日 2015年3月25日
Published Date 2015/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002200048
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はじめに
単一L5神経根症がみられる症例では,L4/5脊柱管内,L5/S1高位の椎間孔部,椎間孔外に病変の存在が疑われる.腰椎疾患における偽性局在徴候として,神経徴候から推測される病変高位と,画像所見での病変高位が一致しない場合はまれに遭遇する.このような場合に,十分な病態の解釈なしに安易に手術を行うとfailed back surgery syndromeを引き起こしかねない.われわれは,これまでに腰椎疾患における偽性局在徴候を報告してきた8,22).これらの報告を踏まえて,本稿では腰椎疾患の偽性局在徴候のうち,上位腰椎(L1〜L3)で圧迫性病変が画像上確認され,下位の単一L5神経根症を呈した症例を提示する.さらに,過去の報告例を参考にして,この症状発現の原因について考察を加える.
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