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イラストレイテッド・サージェリー 手術編Ⅱ-77
新しい仙椎椎弓根スクリューの刺入法—Penetrating S1 endplate screw(PES)法
Insertional Technique of Penetrating S1 Endplate Screw
松川 啓太朗
1
,
谷戸 祥之
2
,
加藤 貴志
3
,
今林 英明
1
Keitaro MATSUKAWA
1
,
Yoshiyuki YATO
2
,
Takashi KATO
3
,
Hideaki IMABAYASHI
1
1防衛医科大学校整形外科
2独立行政法人国立病院機構村山医療センター整形外科
3自衛隊中央病院整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, National Defense Medical College
pp.73-80
発行日 2015年2月25日
Published Date 2015/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002200021
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術式の概要
椎弓根スクリューは,脊椎固定術の主役を担っているが,仙椎に対して強固な固定性を得るには課題がある.腰仙椎移行部には過大な負荷がかかるとともに,仙椎の特徴として,前後径が小さいこと,海綿骨が主体であること,前方皮質骨が薄いこと,骨盤内の神経血管群と近接することなどの解剖学的制約が挙げられる.Penetrating S1 endplate screw(PES)法は,骨密度の高い仙椎近位の外側部分をターゲットとし,さらにスクリュー先端が仙椎終板を貫くことによる固定性・安全性を期するものである.
適応
仙椎までの固定を要するほぼすべての症例が,PES法の適応となる.ただし,胸椎までに及ぶ多椎間固定症例や強力な矯正を要する症例に対しては,PES法とともにS2 alar screwやS2 alar-iliac screwを併用し,仙骨部のconstructの固定性を増強している.PES法は,従来軌道の椎弓根スクリューのみならず,近年注目を浴びている腰椎cortical bone trajectory(CBT)スクリューとの連結も容易であり,両者に適応可能である.特にCBT法を用いた場合,仙椎の刺入点の位置は必然的に限定されてしまうが,PES法は上位のスクリューと3次元的な配列が適合し,かつ良好な固定性が得られることから,絶対適応と考えている.
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