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はじめに
胸腰椎における内固定法は,1986年にRoy-Camilleら8)によって報告された椎弓根スクリュー(pedicle screw:PS)の登場により再建術の成績は飛躍的に向上した.一方,頸椎においては,胸腰椎と比べて骨自体のサイズが小さいことや周囲には脊髄・神経根,椎骨動脈などが近接するといった解剖学的制約から,内固定法の進歩は遅れていた.1994年の鐙らの報告に始まる頸椎PSの臨床応用では当初,側面(鐙ら)や斜位(湯川ら)X線透視のみを用いて行われた1,14).その後,ナビゲーション・脊椎ロボットなど手術支援機器が開発され,経験の多寡によらずより多くの術者が安全で正確に行える普遍化された手技へと発展しつつある4).また近年,手術侵襲の低減化が重視されるようになり,胸腰椎固定では経皮的PSの普及が目覚ましい.一方,頸椎ではいまだ椎弓を広く展開してPS刺入を行うのが一般的であるが,Tokiokaら13)は最小侵襲頸椎PS固定(minimally invasive cervical pedicle screw fixation:MICEPS)法として,後外側アプローチによる小皮切でナビゲーション併用のPS刺入を報告している.本邦においても脊椎外科手術用ロボットが認可され,現在では3社の脊椎手術ロボットが使用可能となっている.脊椎手術ロボットはナビゲーションシステムと連動してPSの刺入を支援するものである.
われわれの教室では,2022年から頸椎にも適応のある脊椎手術ロボットCirq®〔Brainlab's Cirq® surgeon-controlled robotic arm(Brain Lab,Munich,Germany)〕を導入した.本稿では,現在われわれが行っているCirq®を併用したMICEPS法のアプローチによる頸椎PS刺入法とその精度を中心に述べる.
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