特集 認知症基本法と作業療法—共生社会において個性と能力が発揮できる支援
扉
田平 隆行
1
,
江藤 文夫
2
,
長野 敏宏
3
1鹿児島大学
2国立障害者リハビリテーションセンター
3御荘診療所
pp.1045
発行日 2024年10月15日
Published Date 2024/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001203954
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特集にあたって
2024年(令和6年)1月に施行された「共生社会の実現を推進するための認知症基本法」では“認知症の人が尊厳を保持しつつ希望を持って暮らすことができるよう,(中略)認知症施策を総合的かつ計画的に推進し,もって認知症の人を含めた国民一人一人がその個性と能力を十分に発揮し,相互に人格と個性を尊重しつつ支え合いながら共生する活力ある社会(共生社会)の実現を推進すること”を目的としている.基本的施策には,国民理解の増進,バリアフリー化の推進,社会参加の機会の確保,意思決定の支援等8つがあるが,すべてにおいて認知症の本人・家族の意向が尊重されるよう強調している.本人・家族発信はもちろんのこと,その「個性と能力を発揮できるよう支援する」ことが得意な作業療法士は,さまざまな場面で活躍できる.
本特集では,認知症基本法の具体的施策が進められていくことを踏まえ,まず施策の概要と作業療法士への期待を粟田主一先生(認知症介護研究・研修東京センター長)にご執筆いただいた.そして,これまでさまざまな地域で本人(伴走)支援に携わってこられた作業療法士に,その実践とマインドを紹介していただいた(認知症希望大使のパートナー,認知症世界の歩き方公認ファシリテーター,企業連携・商品開発,若年性認知症の就労・社会活動に関する調査研究,本人ミーティング,スローショッピング).ぜひ,参考にしていただき,本人の個性と能力を活かして大切な作業の実現に貢献してほしい.
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