特集 豊かな生活のための住環境評価
扉
竹内 さをり
1
,
山本 伸一
2
1甲南女子大学
2日本作業療法士協会
pp.865
発行日 2024年8月15日
Published Date 2024/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001203897
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特集にあたって
2023年(令和5年)の日本の合計特殊出生率は1.20であり,最低は東京都(0.99)でついに1人を下回ることが報告された.わが国では人材不足が課題となっているが,今後ますます作業療法対象者が人の手による生活支援を受けにくくなることを痛感する.この結果から,ハード面での環境整備による対象者の自立支援の実現は,必要不可欠なものといえる.人口動態的に考えられる,このような環境整備ニーズの高まりは,何とも味気ないものであるが,この現状を把握しつつ,私たち作業療法士は,以前から「環境整備は人の生活を豊かにするうえで重要である」という意識をもち,支援方法として活かしてきたことを忘れずに,対象者にかかわっていきたいと感じている.
そこで本特集では,まず豊かな生活を実現する住環境整備の評価に作業療法士のどのような視点が活かせるかを示し,その可能性を再認識するとともに,日々の実践に活用できる視点を伝えたい.次に,環境整備には多職種協働が欠かせないことから,他職種から作業療法士に向けて期待される内容を教授いただいた.さらに,住環境に欠かせない照明や温熱環境に関する知識を知ることで,環境評価の視野を広げる機会としたい.また,ロービジョン者への住環境評価の実践を通して,作業療法士の新たな可能性を知る機会となれば幸いである.
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