特集 作業療法はロボットとどう向き合っていくか
扉
野上 雅子
1
,
山本 伸一
2
,
竹内 さをり
3
1特別養護老人ホーム万寿の家
2山梨リハビリテーション病院
3甲南女子大学
pp.487
発行日 2022年6月15日
Published Date 2022/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001202983
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特集にあたって
高齢化の加速による介護ニーズの増大,労働人口の減少等に伴い,その解決手段の一つとして医療・介護現場でのロボット技術の開発・普及が進められている.開発支援や実証試験,導入支援といった政策や事業も拡大されているが,十分に普及したといえる状況ではない.
ロボットの導入目的はさまざまであるが,主なものとしては,対象者の生活支援・自立支援の促進と同時に,支援者の負担軽減や業務の効率化が挙げられる.ロボットを効果的に活用するためには,課題や目標を明確にしたうえで導入計画を立て,対象者に適したロボットを用い,課題解決に向けた運用・実践が不可欠である.ロボットを導入したが運用できていないといった事例もあり,効果的に活用できる人材の育成や組織づくりも必要である.人(対象者とその支援者)と環境(対象者の生活環境や支援者の組織・体制・業務オペレーション)をアセスメントして,道具(ロボット)を適合・活用し,その効果を検証することに,OTのもつ技術や視点は大いに役立つ.また,ロボットの開発において,OTはニーズ(対象者)とシーズ(開発側)のどちらにも接点をもち,それぞれをつなぐ役割を担うこともできる.
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