特集 下部尿路機能障害に対する支援—その理解から具体的介入まで
扉
佐藤 浩二
1
,
山本 伸一
2
,
竹内 さをり
3
1大分岡病院
2山梨リハビリテーション病院
3甲南女子大学
pp.117
発行日 2018年2月15日
Published Date 2018/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001201182
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特集にあたって
介護保険領域において対象者(患者)の活動・参加を促すことが重要と唱えられている.周知の通りOTは,患者の応用的動作能力と社会適応能力の向上を促す専門家である.上記の活動・参加はこれと同義ととらえてよいと思われる.であるならば,その役割を担うのはOTである.しかしながら,活動・参加を促すうえで患者の下部尿路機能(膀胱機能)をしっかりと把握して対応できているか,一抹の不安を覚える.OTの多くは若く,排尿のことを自ら意識することがほとんどない年齢層であることも一因と思われる.
加齢とともに下部尿路機能は着実に低下する.また,疾病により一時的にバルンカテーテルを留置したり,おむつを着用することでも機能は低下する.仮に頻尿や切迫性の尿失禁(尿漏れ)があれば活動に集中できなくなったり,外出を好まなくなったりする.患者個々の下部尿路機能を把握しておくことは,実用的な活動・参加の向上に,地味ではあるがきわめて重要な視点である.
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