連載 アーキテクチャー 保健・医療・福祉 第4回
老人保健施設3題
河口 豊
1
,
栗原 常治
2
,
伊藤 研
3
,
高野 重文
4
1国立医療・病院管理研究所
2(株)教育施設研究所
3医療法人大雄会
4(株)高野重文建築事務所
pp.181-187
発行日 1995年2月1日
Published Date 1995/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541901447
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老人保健施設のパワー
本格的に老人保健施設が動き出してから7年足らずの間に,全国に施設が建設され既に8万床を超えた.平均在所日数を3か月として年間32万人,4か月としても24万人が利用していることになる.多くの病院で社会的入院と言われる高齢者を少なからず抱えている.また,一部の老人病院では医療の観点からのみ対応していたため,具体的退院計画をもたないまま漫然と収容の形となり,死亡退院が90数%と言う状態でもある.
そこに中間施設としての老人保健施設が社会復帰を目的として活動を開始し,病院の高齢者医療に大きなインパクトを与え,特別養護老人ホームの介護をも刺激した.さらに在宅からの入所者が半数強ということから,在宅高齢者とその家族に与えている影響も大きい.ただ,中間施設としての機能の維持を考慮すれば,病院病床とのトレードを主とし,やみくもに定床増を目指すべきではなかろう.すでに老人保健福祉計画上の数を上回る計画の地域がある.
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