連載 患者の死と向き合うために・第1回【新連載】
死生学入門
石丸 昌彦
1
Masahiko Ishimaru
1
1放送大学
pp.600-605
発行日 2024年7月15日
Published Date 2024/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001203830
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
死生学と死生観
死生学とは何だろうか.
この問いに対する答えを考案することは,興味深い作業であるが思いのほか難しい.大学の教室であれば,「死生学とは何なのか,その定義について考えてみよう」というテーマを掲げてディスカッションを行い,メンバーの共通理解としての「死生学の定義」を編み出してみたいところである.既存の定義をトップダウンで受け取るのではなく,それぞれの感じているところからボトムアップで構築していく姿勢が,他の学問領域以上に求められるのが死生学であろう.それというのも,生と死の問題は現に生きているすべての人々にとっての自分事であり,このことに関する部外者や門外漢は,世の中に一人も存在しないからである.
Copyright © 2024, MIWA-SHOTEN Ltd., All rights reserved.