連載 患者の死と向き合うために・第2回
作業療法における死生学概論
池知 良昭
1
,
窪 優子
2
,
田尻 寿子
3
,
久村 悠祐
4
Yoshiaki Ikechi
1
,
Yuko Kubo
2
,
Hisako Tajiri
3
,
Yusuke Kumura
4
1香川県立丸亀病院
2広島大学病院
3静岡県立静岡がんセンター
4聖マリア病院
pp.910-914
発行日 2024年8月15日
Published Date 2024/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001203909
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作業療法と死生学
死生学について,石丸1)は,「死すべき運命を背負った人の生のあり方について,とりわけ人々の死生観に広く耳を傾けつつ,さまざまな角度から考える学問である」と定義した.この死生観は,「自分らしい人生とは何か」に大きな影響を及ぼす2).
一方,世界作業療法士連盟3)は,作業療法について,“Occupational therapy is a client-centered health profession concerned with promoting health and wellbeing through occupation.”と定義している.作業療法は,クライエント中心であることが謳われ,クライエントが「自分らしく生きる」ことを支えるのが,作業療法の専門性である.終末期がん患者が,最期まで「自分らしく」生きることを支えるため,作業療法士には,クライエントの死生観を考慮した介入が求められる.
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