連載 作業療法を深める・第92回
薬膳とは—その礎にある考え方と日本での活用の実際
中村 浩子
1
,
並木 隆雄
2
Hiroko Nakamura
1
,
Takao Namiki
2
1一般社団法人SALUTE・健康増進イタリア料理協会
2国際医療福祉大学成田病院
pp.595-599
発行日 2024年7月15日
Published Date 2024/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001203829
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はじめに
作業療法士が患者の身体と心の両面からサポートするリハビリテーション職であるならば,病気を治す食事という意味をもつ本来の「薬膳」,あるいは食養(生)として身心の健康を維持・増進させる食事を知っておいて損はないだろう.作業療法において調理はすでに確立されたリハビリ・メニューの一つだが,作業療法士にとって薬膳はほぼ未知のものかもしれない.本稿では,薬膳とは何か,そして薬膳の礎にある中医学(中国の伝統医学)の学説と理論をいくつか紹介する.
なお,日本国内で薬膳という言葉は,中医学での本格的な薬膳の簡易版ではなく,健康食という意味で使われがちで,似て非なるものであることも多い.そのことを理解のうえ,読み進めていただきたい.
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