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Key Questions
Q1:学内教育と臨床実習のギャップを解消するための教育のあり方とは?
Q2:学生の選択肢の幅を増やすために教育者としてのあるべき姿とは?
Q3:主体的な参画によって得られる卒後教育の効果とは?
養成校教員を目指すまで
本稿の執筆にあたって,私自身が作業療法養成課程に就職するまでの経緯を振り返ってみました.思い返すと中学生時代から学校の成績は比較的よかったこともあり,試験期間等には友人と共に勉強をしながら,友人から質問をされた際に解説をすることや,一緒に参考書を読み解いていくことが多くありました.また,作業療法養成校の学部生時代には,国家試験に向けた勉強で理解につまずいた単元について,友人に解説ができるまで復習を繰り返すようにしていました.これらの体験から,物事を自分なりに咀嚼してわかりやすく伝え,誰かに感謝してもらえることに自身も喜びを覚えることを気づいており,教職に就くことも漠然としながらもイメージはしていました.
養成校教員への就職の機会はいくつかありましたが,卒後5年目の大学院の修士課程の修了が近づいた際に,指導教員でもあり現在同じ養成校で共に働いている友利幸之介先生から養成校教員への道を勧めていただいたときは悩みました.しかし,当時の私は,かねてからの教育研究職への憧れは変わらずに胸に秘めつつも,大学院在籍中の研究活動や,全国各地の臨床家や研究者との交流を重ねるほどに,作業療法の奥深さや幅広さに触れ,作業療法の専門性を頭では理解していたものの,実践の経験が不足していると痛感していました.作業療法について真に理解していない状態の自分が,学生に作業療法を教える立場にないのではないかという思いが募り,その時点では教育研究職に進む踏ん切りをつけられませんでした.
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