巻頭言
卒前教育について思うこと
小島 卓也
1
1日本大学医学部精神医学
pp.562-563
発行日 1994年6月15日
Published Date 1994/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405903668
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包括的な医療の必要性が指摘される中で,精神科以外の科に進む学生は精神医学的な知識や態度をこれまで以上に身につけることが必要となっている。しかし卒前教育において精神医学を学生に教えることについては,難しい面が多々見受けられる。学生達へのアンケートや感想文を基にして彼らが感じていることをまとめると以下のようになる。1)わかりにくい,とっつきにくい,専門用語がわからない,2)検査値をみて診断できない,3)精神症状を把握しにくい,4)面接が難しい,頼るべき手掛かりがない,5)診断が曖昧,退院の基準などもはっきりしない,6)正常と異常の区別がはっきりしない,7)病因・病態のメカニズムがはっきりしていない場合が多い,8)自分で病気だと思わない人をどうやって治療できるのか,などである。
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