わたしの大切な作業・第72回
作業に含む「あたり前」
林原 めぐみ
pp.273
発行日 2024年4月15日
Published Date 2024/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001203725
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- 文献概要
かつて中学2年生のときに、父が脳梗塞で倒れ、半身不随となり、日々リハビリ生活となったころ、病院の理学療法士の方と一緒に父のリハビリを手伝う経験をしました。日々可動域が広がる父を見て、その経験は一つの憧れとなり、進路先として視野に入れ療法士さんに相談すると、「あなたは小柄だから、作業療法士のほうが向いているかもしれないよ。理学療法士だと、大柄な男性を支えたりすることも多いしね」とアドバイスを受け、はじめて「作業療法士」という仕事があることを知りました。一言に作業と言ってもその範囲は広く、父に至ってはかつて使えていた右手が全く使えなくなったことから、鉛筆もスプーンも左手を使うようになり、また使えない右手もそのままでは拘縮してしまうので、グーパーからはじまり、随分と細かい作業の訓練をしていました。
その後、進路としては、看護師としての道を選び、道は変わりましたが、学生時代受け持った患者さんのケアを含めて、随分と「リハビリ」にはお世話になり、理学、作業ともに、私にとっては「特別」なお仕事として、刻まれています。こうやってここに、執筆させていただくことも、不思議なご縁を感じています。
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