今月の主題 臨床行動に結びつく検査戦略
よくみる疾患の効果的な臨床検査
ウイルス肝炎(肝癌を含む)
石井 耕司
1
,
住野 泰清
1
1東邦大学医学部消化器内科
pp.811-814
発行日 2004年5月10日
Published Date 2004/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402100802
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ポイント
近年,A~E型肝炎以外の肝炎ウイルスとされるウイルスが同定されているが,それらが肝炎を引き起こすかどうかについては疑問である.
日常診療における急性肝炎の原因のほとんどはA型またはB型肝炎ウイルス感染である(ただし最近,海外渡航歴のないE型肝炎の報告が増加している).
慢性肝炎のほとんどはB型,またはC型肝炎ウイルス感染である.
C型肝炎ウイルスは本邦では以前から,セロタイプ1,2の2種類に分類(genotype分類では 1b,2a,2b)されているが,最近,B型肝炎もgenotype分類が可能となり(保険適用はない),本邦における従来型であるgenotype C,B(日本型Bj,アジア型Ba)に加えて,欧米型のAやDなども検出されるようになってきており,それぞれ特徴が報告されている6).
近年の遺伝子学的検査の進歩により,ウイルス肝炎についての知見が集積するものと思われ,常に新しい情報を得る必要がある.
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